1977年のTV JACK

cvs-odyssey2008-03-02


3月はなにかとクラゲー系にあわただしく、
アドオン5000や光速船のこともからめて
バンダイのテレビゲームの歴史などを追っています。
ちょっと書いてみましょうか。


バンダイテレビゲーム第一弾は1977年のTV JACKシリーズ。
'77年5月20日にパレスホテルにて発表会まで行われています。
ホテルってのは華々しい。なんせ副社長同席だもんね。
ちなみに任天堂の6/15やファミコンは、多分記者クラブかなんかだった思いますが今度調べてみようかな。


この場で発表されたTV-JACK。機種は3つ。

  • 1000...ボールゲーム4種。9,800円。
  • 2000...20ゲーム。18,000円。結局未発売
  • 3000...カーレース可能。38,000円。


この席で役員の方は
この分野のシェア半分をとりたい、販促も全国キャラバン展開など大型予算を組むとおっしゃっていましたが、売れ行きは期待通りとはいかなかった様子。

だって、6月に発売された任天堂カラーテレビゲーム6/15が
とびぬけて強かったんです。
ビビッドなカラー。
白黒のTV-JACK 1000では歯が立たなかったのであろうがまず第一。
そして一度手にとってみればわかる、6/15の豊かなゲームバリエーション。
この時期の売り場の写真などが残っているのですが、
設置スペース4くらいの6/15に対して、JACK-1000はわずか1。
(トリミング加減による誤認はあるかもしれませんが)


3000のカーレースに関してはデータは無いのですが、
ボールゲームから進んだ内容にも関わらず
これが売れているという記事はひとつもお目にかかっていません。
というか、ゲーム性では完全に退化しているし、
あの内容で38,000円ってひどすぎるよね。


同年夏休み商戦を終えた9月頭、山内元任天堂社長は
「市場の90%のシェアを持っている」
「年内販売台数は100〜120万台を目標にしている」
と、意気揚々にインタビューに答えていますが、
一方のバンダイは同紙に目標20万台と控えめな発言に終わっています。


これじゃいかん、ということで、
バンダイはその直後の9月7日、本社ショールーム
同月下旬よりTV-JACK 1000の新バージョン発売を発表します。
こいつは、カラー版のAY-3-8500のボールゲームでして、
(カラーといっても、背景が緑になっただけだった気がする) 
その他、ボールゲームのバリエーション1200と1500シリーズ、
そして問題作、宇宙船ゲーム20種類のTV-JACK 2500を
10月より発売すると発表するのです。


数が出なかった理由を、バンダイ玩具本部長(当時)は
「これほど加熱するとは思わず、十分に商品を供給できずにご迷惑かけた」
とか言っておられまして(^^、
9月ごろの業界誌に「(業界)全需要数80万個としてシェア目標は1/3」
以前の1/2よりは控えめな数字を宣言していました。
で、さらにタモリCMニューバージョン他、各種販促をさらにすると、
あいかわらずの力の入れようだったようです。


この追い込みが功を奏したのか、
同年10月の電波新聞のある玩具販売店のコメントとして、
「当初任天堂が8割シェアだったのが、今では5割程度に下がっている」
という記事が掲載されているのを見ることが出来ます。
(続く)