買わなかった理由ってなんですか?

ビデオゲーム関連の飲み会で、私より年配の方を見かけると、決まって尋ねている質問があります。
「すいません、ファミコンの前にどんなテレビゲームを買いました?」


なぜ、こんなことを聞いてまわるのか?
ボールゲーム以降、1983年のファミコンの登場まで、家庭用据え置き型ゲーム機はあまり売れませんでした。
正確な数はわかりませんが、経済新聞や業界誌によると、ボールゲーム直後(78年)の任天堂ブロック崩しエポック社のテレビ野球ゲーム〜テレビベーダーが各々2〜30万台。'82年頃のぴゅう太、ゲームパソコンあたりで、十数万台規模の出荷だと推定されます。


で、ファミコンが何千万台でしたっけ?
売れたものって記事になるんですけど、売れないものは基本的には記事にならないんですよね。
じゃあ取材だってんで、いろんなおもちゃ屋さんに聞いてまわったんですけれど、これも皆さんほぼ「記憶にない」の一点張り。だからゲーム関係者の酒の席で地道にフィールドワーク?を続けているんですよね。
大変ですわん。


通説として世間で広く語られているのは、おもしろさが足りなかった、価格が高すぎた、という2説。


でもねえ。本当に内容の弱さだけが理由なのかなあ?って疑問がどうしても残るんです。だって自分には萌に萌え・・・、ちがった、燃えに燃えましたからね。当時。


それに内容がおもしろくないというのなら、アタリ版スペースインベーダーは、アメリカではその内容で大ヒットしていますし、「俺は兄弟でお年玉をはたいてVCS買ったぜ」という職場の先輩の苦労話も聞かせてもらいました。


一方価格問題。確かにそれが大きな割合を占めているというのも間違いないのでしょうが、一方でたとえばODYSSEY2やインテレビジョンが半額に値下げされても、やはり売れゆきは芳しくなかったんですよね。もちろん、ファミコン登場前の時点でもです。


で、そんな時は私の体験を話すのですが、たとえばその理由のひとつは親方(おやがた)の贅沢禁止令ではなかったか、と。


テレビゲームが高級電化製品であったことはさておき、あれをテレビの前に並べると、でかいのでどうしても目につくじゃないですか。「もう既に持ってるじゃない!あんな高価なもの何台も買っちゃだめ!」、とでかい声で叱られたという話です。
この場合、値段が下がろうがあまり関係ない。もしあの時代に中古ショップがあったとしてもやはり許可は得られなかったのでは?そんな仮説を唱えたりしています。
逆にハンディ電子ゲームは何台持っているかわからないので、結構子供は買ってもらえた→ブームにつながったのかな、と思うんですよ。あ、ということは、「本体バカデッカかった説」とも言いなおせるかもしれませんね(^^;


いずれにせよ、単一の理由だけでなく、様々な理由が複合しているのはまちがいありません。
ですので、とにかくいろんな体験を貯めてまわることが重要だったりするんです。


ところが、まあ酒の肴になりにくいんだなあ、このテーマ・・・。
知らない人は知らないし、知っている人は考え込んじゃう。
いずれにせよ空洞化現象。
とほほ。


私だって、ファミコンBARでうまい酒のひとつも飲んでみたいものです。